目次
はじめに
DAWでオーディオを扱う際、必ずと行って良い程行う工程が、
オーディオクリップの移動(ナッジ)・切り貼り。
(かつてはクリップの事をリージョンと呼んだ時代もありました。僕もどちらかと言うとリージョンという言葉の方がしっくりくる世代です。)
音源で打ち込んだ素材がテンポにキッチリはまっているリズムのループ素材などは、オーディオに書き出した後、そのクリップを必要な分だけ貼り付ければほとんどの場合問題なく、綺麗なループを作る事ができます。しかし、自分で録音した単発物の素材などは、録音後に素材のスタートポイントを編集したりして波形の見た目はちゃんとアタマ出しができてるように見えるのですが、実際に楽曲内のループ素材と合わせて聞いてみると、ジャストのタイミングよりも遅かったり、速かったりとなかなか思うように行かないことも多々あります。
その場合、ナッジと言ってクリップを移動させる作業を行うわけですが、マウスを使ってドラッグ&ドロップで行ってもうまく行かない事が多いです。
そのため、ほとんどのDAWではユーザーが決めた間隔で、クリップを移動させるショートカットが存在します。今回はProtoolsのナッジのショートカットをご紹介します。
グリッドの間隔を選択するショートカット

Protoolsの編集画面の上部の真ん中あたりに上記の画像のような表示があるのですが、ここで現在選択されているグリッドとナッジの間隔を確認する事ができます。
現在のグリッドの間隔は2分音符となっており、下記画像のように4/4拍子ですと1小節のちょうど真ん中に1本グリッドが入る事になります。

グリッドは下記画像のように様々な種類があります。

最近の楽曲はクリックを使っている曲が圧倒的に多いので、デフォルトとしては「小節|拍」を選択して、4分音符に指定してくのが良いかと思います。
素材やナレーション、クリックを使わないバンドサウンドなどの場合は「分:秒」を選択しておくと管理が楽かもしれません。
グリッド間隔の選択のショートカットは
control + option + テンキーの + –
です。僕が見つけられていないだけかもしれませんが、「小節」や「分:秒」のような種類をショートカットで切り替える事はできません。
ちなみに、上記画像で「グリッド」という文字に緑色の背景が付いておりますが、「グリッド」という文字をクリックすると、緑色の背景が消え、グリッドを非表示にする事ができます。
ナッジの間隔を選択するショートカット

ナッジも上記画像ののように様々な種類があります。
ナッジ作業は微調整が多いので、「小節|拍」よりも「分:秒」の方が編集し易い印象があります。
上記画像の「10msec」とは1秒の100分の1、つまり0.01秒です。
細かいように思えますが、楽曲内で0.01秒素材をナッジすると、かなり聞こえ方の印象が変わり、素材によってはリズムがずれて聞こえるくらいです。
僕は微調整のナッジでは通常0.002間隔で作業しております。
ナッジ間隔の選択のショートカットは
option + ⌘ + テンキーの + –
です。こちらも種類を切り替えるショートカットはありません。(見つけられておりません。)
上記画像では種類を「分:秒」間隔を「10msec」としておりますので、この設定で
テンキーの + –
押す事で、クリップを 10msec 前後へナッジする事ができます。
下記画像の例では2小節目の1拍目ちょうどにあるクリップを選択して テンキーの + を押す事で、クリップを10msec分後ろにナッジしています。


また、ナッジ間隔はカスタマイズができます。
下記画像のように10msecの部分をクリックすると、背景が緑色になりますので、設定したい間隔に数値を入れ直す事でカスタマイズが可能になります。


最後に
如何でしたでしょうか??ナッジ作業はただでさえ骨の折れる作業になりがちですので、こちらのショートカットで少しでも作業効率が上がれば幸いです。